心理的安全性とは
しんりてきあんぜんせい/英語では psychological safety
この場では、反対意見や失敗、分からないことを口にしても、責められたり軽く見られたりしないと、みんなが思えている状態。
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心理的安全性は、組織づくりや人事の考え方として、チームの性質を表す言葉として広く使われていますが、ここでは会議やワークショップの一つの場で、主催者や進行役が何をすればつくれるかに絞って書きます。
意味
心理的安全性は、英語の psychological safety を訳した言葉です。その場の人たちが「ここでは本音を言っても大丈夫」と思えている状態を指します。
たとえば、次のようなことが気軽にできる場は、心理的安全性が高いと言えます。
- 「分かりません」「もう一度説明してください」と言える
- 上の立場の人の案に「別の考えがあります」と言える
- 自分の失敗を早めに打ち明けられる
よく誤解されるのが、「仲がよくて、厳しいことを言わない場」と同じだと考えることです。言いにくいことを言わずにすませる場は、居心地はよくても、心理的安全性が高いとは言いません。反対意見が出せて、それでも関係が崩れないと思えることが要になります。
チーム全体の心理的安全性は、日々の関わりの積み重ねでできるもので、一度の会議で大きく変わるものではありません。ただ、一つの会議やワークショップの中では、場の組み方で「この時間は話しても大丈夫」と思える状態をつくることができます。はじめの数分の過ごし方、席の組み方、出た意見の受け止め方が、その日の話しやすさを左右します。
使い方と例文
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企画会議で:「役員が同じ卓にいると意見が出にくいので、心理的安全性を考えて、最初は職種ごとに分けましょう」
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当日の冒頭で:「今日は、途中の考えや、まとまっていない意見を歓迎します。間違っていてもかまいません」
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振り返りで:「若手からの意見が少なかったのは、話す順番が役職順だったからかもしれません。次は順番を変えます」
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終わったあとに:「今日は反対意見がいくつも出ました。言いにくいことを言ってくださって、ありがとうございます」
似た言葉との違い
| 言葉 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 心理的安全性 | 本音や反対意見を言っても大丈夫と思える状態 | 場やチームの状態を表す |
| ぬるま湯 | 厳しいことを言わず、なれ合っている状態 | 心理的安全性と混同されやすい |
| グランドルール | その場だけの話し方の約束 | 会議・ワークショップのはじめ |
| チームビルディング | チームの関係をつくる取り組み | 新しいチーム・期のはじめ |
心理的安全性は状態の名前で、それ自体を「やる」ことはできません。その場で使える手段が、はじめに約束を確かめるグランドルールや、一人ずつ一言話すチェックインなどです。
実務で気をつけること
- 最初の一言を、全員に話してもらう:はじめの10分で一度も声を出さなかった人は、そのあとも話しにくくなります。名前と今日の気分だけでもいいので、早いうちに全員が一度話す時間を置きます。
- 卓の組み方を前もって決める:上司と部下が同じ卓にいると、部下は上司の顔を見てから話します。役職を混ぜるか分けるかは、主催者が議題に合わせて決めます。考え方はワークショップのチーム分けにまとめています。
- 決める立場の人に、話す順番をお願いしておく:役職の高い人が最初に意見を言うと、場がその意見に寄ります。前もって「最後に話してください」と頼んでおくのは、主催者の仕事です。
- 出た意見を、進行役がまず受け止める:反対意見が出たとき、進行役が「ありがとうございます。そこは大事な点です」と受けるかどうかで、次の人が話すかが決まります。進行役の受け方ひとつで、場の空気が決まります。
- 分からないことを聞く時間を、決めて置く:「質問はありますか」と全体に聞くだけでは、手は挙がりません。数分ごとに区切って「ここまでで分かりにくかったところを、付箋かチャットに書いてください」と書く時間をとると、聞きにくいことも出てきます。
- 言ったことが、評価に響かないと示す:場の中で出た失敗の話や反対意見が、あとで評価の材料になると、次から誰も話しません。記録に名前を残さない、外に出さない、といった扱いを始める前に伝えます。


