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定例会議の進め方会議が長い・決まらないを変える5つの型
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定例会議で一人ずつ進み具合を話していたら、それだけで時間がなくなってしまい、次の週も同じ議題が残っている。そんな会議に心当たりのある方は多いと思います。
「会議が長い」「なかなか決まらない」という悩みは、出ている人のやる気や、進行役の話し方のせいにされがちです。でも実際は、進め方を少し変えるだけでかなり変わります。定例会議は何度もくり返す会議なので、一度変えれば、そのあとの毎回に効いてきます。
この記事では、定例会議の進め方を5つの型にまとめました。ゴールを1行で書く、議題を「決めること」で書く、最初の3分で進め方をそろえる、決め方を先に決める、終わりの5分で確かめる、の5つです。全部を一度に始めなくても大丈夫です。来週の定例で1つ試すだけでも、違いは分かると思います。
なお、ワークショップのような1回きりの場の進め方はファシリテーションのコツに書きました。ここでは、毎週や毎月くり返す定例会議に絞って書きます。
定例会議が長くて決まらないのはなぜか
定例会議は、決まった曜日の決まった時間に、だいたい同じメンバーで開きます。始めたときには目的があったはずですが、何か月か続くうちに「毎週やっているから、今週もやる」会議になっていきます。
そうなると、会議の中で起きることもだいたい決まってきます。
- 何のための回なのかを確かめないまま、報告から始まる
- 議題が「新サービスの件」のようにテーマだけで、何を決めたら終わりなのか分からない
- 誰が決めるのかがはっきりしないので、最後は「持ち帰って検討」になる
- 決まったことを確かめないまま時間切れで終わり、次の週にまた同じ話をする
どれも、出ている人が悪いわけではありません。進め方が決まっていないので、毎回その場の流れで進むしかない、というだけです。
定例会議ならではの事情もあります。ワークショップなら、事前に台本をつくって進行役を立てますが、毎週の定例にそこまで準備の時間はかけられません。進行役も、たいていはチームの上司か、持ち回りの誰かです。だから定例会議には、準備に時間をかけなくても回せる軽い型が合っています。
型1:ゴールを1行で書く
1つ目は、その回の会議が終わったときに何が決まっていればいいかを、1行で書いておくことです。
定例会議の目的は、「情報共有」や「進捗確認」になっていることがよくあります。ただ、これは会議の中でやることで、終わったときにどうなっていたいかではありません。情報共有がゴールだと、全員が話し終わるまで会議が終わらないので、出る人が多いほど長くなります。
ゴールは、終わったときの状態で書きます。書き直すと、たとえばこうなります。
- 「営業定例」→「来週出す見積もり2件の、値引きの上限が決まっている」
- 「今週の進捗確認」→「遅れている案件を、誰が立て直すかが決まっている」
- 「展示会について」→「展示会のブースに立つ4人と、事前の練習日が決まっている」
毎週の定例でも、ゴールは回ごとに書きます。この会議がなぜあるのかという目的は一度決めておけばいいのですが、その回に何を決めるかは週によって違うからです。
書いたゴールは、会議の招待の1行目か、議題のいちばん上に入れておきます。始まる前に読んでおいてもらえれば、会議の最初の説明も短く済みます。
1行で書けない週もあります。そういう週は、その回はやらなくてもいいのかもしれません。報告だけなら、チャットや共有のドキュメントで済むこともあります。この話は、あとの「定例会議の棚卸し」でもう少し書きます。
型2:議題を「決めること」で書く
2つ目は、議題の書き方です。
定例会議の議題に、「新サービスの件」「進捗報告」「その他」のように、話すテーマだけが並んでいませんか。テーマだけだと、その議題で何をしたら終わりなのかが分かりません。なので、ひととおり話しても次に進むきっかけがなく、同じところを回りやすくなります。
議題は、何を決めるかで書き直します。
- 「新サービスの件」→「新サービスの説明会を、11月にやるか12月にやるか決める」
- 「来期の予算」→「来期の予算のうち、広告費の上限を決める」
- 「展示会について」→「ブースに立つ4人と、事前の練習日を決める」
議題ごとに、使う時間も書いておきます。「ブースに立つ4人を決める(10分)」のように書いておくと、時間が来たときに「あと2分で決めましょうか」と言いやすくなります。
1回の定例で決められることは、思っているより少ないです。30分の定例なら、2つくらいが目安だと思います。それより多いときは、今週決めなくてもいいものを次の週に回します。
報告は、決めることとは分けておきます。報告がいらないわけではありませんが、定例会議の時間の大半が報告で終わっている、ということもよくあります。報告は会議の前に共有のドキュメントに書いておいてもらって、会議では、読んで気になったところを聞くだけにします。そうすると、空いた時間を決めることに使えます。会議の前に材料を集めておく考え方は、ワークショップの事前課題とも同じです。
型3:最初の3分で進め方をそろえる
3つ目は、会議の始め方です。
定例会議は「じゃあ、端から順番に進捗をお願いします」と始まりがちです。でも、出ている人の頭の中は、直前までの別の会議や、さっきまで書いていたメールのことでいっぱいです。そのまま本題に入ると、何のための回なのか分からないまま話が進んでしまいます。
そこで、最初の3分で進め方をそろえます。やることは、型1と型2で書いたものを読み上げるだけです。たとえば、こんな感じです。
今日のゴールは、展示会のブースに立つ4人と、事前の練習日を決めることです。
決めることは2つです。ブースに立つ人を10分、練習日を5分で決めます。
ブースに立つ人は、皆さんの意見を聞いてから、最後は私が決めます。練習日は多数決にします。
進み具合の報告は共有のドキュメントに書いてもらったので、気になったところだけ質問してください。
10時半には終わります。
「最後は私が決めます」「多数決にします」のところが、次の型4の「決め方」です。読み上げるだけなので、3分もかかりません。ここでは議論はしません。中身の話は、このあとに始めます。
最初にそろえておくと、話がそれたときにも戻しやすくなります。最初に読み上げたことを指して「今日決めるのはブースに立つ人なので、その話は来週にしましょうか」と言えば、誰かの話を無理に止めなくて済みます。
オンラインの定例なら、議題を書いたドキュメントを画面に映したまま始めると、読み上げたことがずっと見えている状態になります。
型4:決め方を先に決める
4つ目は、その議題を誰がどうやって決めるのかを、話し始める前に決めておくことです。
定例会議でよくあるのが、ひととおり意見が出たあとに少し沈黙があって、「では、それぞれ検討して、また来週」となる流れです。これは意見が足りないからではなく、誰が決めるのかが決まっていないから起きています。決める人がはっきりしていないので、誰も「じゃあ、こうします」と言い出せないんです。
決め方には、たとえば次のようなものがあります。
- 担当の人が、みんなの意見を聞いたうえで決める
- その場にいる上司が決める
- 多数決で決める
- 全員が納得するまで話す
- 今日は決めずに、意見を集めるところまでにする
どれがいいということはなく、議題ごとに変えてかまいません。話し始める前に、全員がそれを知っていれば十分です。
最後の「今日は決めない」も、決め方としてありです。最初にそう言っておけば、決まらなかったことが失敗にはなりません。次の週に誰が決めるのかまで言っておけば、話が宙に浮くこともありません。
気をつけたいのは、決める人がその会議に出ていないときです。その場合は、議題を「決めること」として並べないほうがいいと思います。意見を集めて、決める人に渡すところまでを、その回のゴールにします。決める人がその場にいないと話が進まないのはワークショップでも同じで、そちらは社内ワークショップが「やって終わり」になる理由に書きました。
案がいくつか出て、どれも正しく見えて選べないときは、決め方より、何を基準に選ぶかがそろっていないことが多いです。基準のそろえ方は、ファシリテーションのコツの「よくある質問」に書いています。
型5:終わりの5分で確かめる
5つ目は、会議の終わり方です。
定例会議は、時間いっぱいまで話して「じゃあ、そんな感じでお願いします」で終わることがよくあります。この「そんな感じ」の受け取り方が、人によって違います。決まったと思っている人もいれば、まだ検討中だと思っている人もいて、それが次の週になってから分かります。
なので、終わる5分前に話をいったん止めて、次のことを読み上げます。
- 決まったこと
- 誰が、いつまでに、何をするか
- 決まらなかったことと、それをいつ決めるか
読み上げたら、その場で議事メモに書きます。会議のあとで誰かがまとめるより、全員が見ている前で書いたほうが、受け取り方のずれが残りません。
次の定例では、最初の3分の中で、このメモを1分だけ見ます。「先週決めたこと、手をつけられましたか」と聞くだけです。これを毎週続けると、決まったことがそのままになりにくくなります。毎週ある定例会議なら、これが無理なくできます。
時間が押しても、この5分は削らないでください。削るなら、議題のほうを次の週に回します。
ワークショップのように、1回の場で決めたことを何週間かかけて動かすときの運び方は、ワークショップの振り返りにまとめています。
5つの型はどこから始めるか
5つ全部を来週から始める必要はありません。始めやすいものから分けると、こうなります。
- 事前に書くだけでできる:型1(ゴール)と型2(議題)
- 会議の中でやる:型3(最初の3分)と型5(終わりの5分)
- 先に話しておいたほうがいい:型4(決め方)
最初の週は、型1と型2を書いて、型3で読み上げるところまでで十分だと思います。読み上げるものがあるだけで、会議の始まり方はずいぶん変わります。慣れてきたら型5を足して、型4は、決める立場の人と一度話してから入れます。
それから、5つの型は毎週ゼロから考えるものではありません。週1回のチーム定例や月1回の部会のように、くり返す会議ごとに一度決めておけば、毎週書くのはゴールの1行と、その回の議題くらいになります。
同じような考え方は海外にもあります。アメリカで会議の改善を専門にしているMeeteorという会社の創業者、Mamie Kanfer Stewartさんは、くり返す会議は毎回組み立て直すのではなく、会議ごとに進め方の型を一度つくって使い回すことを勧めています。型には会議の名前、目的、流れと時間の配り方、事前にやることを入れておき、使いながら少しずつ直して、うまく回るようになったら固定する、という考え方です。
出典:Mamie Kanfer Stewart「Stop Building Your Meetings From Scratch」(2026年9月29日)。内容は私の言葉でまとめています。
定例会議の棚卸し
5つの型とあわせて一度やっておきたいのが、定例会議の棚卸しです。自分が出ている定例を全部書き出して、やめてもいいものがないかを見ます。やめるまではいかなくても、毎週を隔週にする、60分を30分にする、という手もあります。
見分けるときは、型1が使えます。何週か続けてゴールを1行で書けなかった定例は、やめるか、回数を減らしてもいい定例かもしれません。
部署やチーム全体で会議の数そのものを減らしたいときは、1本ずつ見るより、まとめて棚卸しをするほうが早いです。手順は会議を減らす方法にまとめました。
ただ、定例会議には、決めること以外の役目もあります。チームで顔を合わせることや、困っていることを早めに拾うことです。それがはっきりした目的になっているなら、やめなくていいと思います。その場合は、ゴールの1行を「困っていることを1人1つ出して、手伝う人が決まっている」のように書いておくと、時間の使い方がぶれません。
よくある質問
定例会議の進行役は、上司がやったほうがいいですか?
どちらでもできます。ただ、上司が進行と決める役を両方やると、話が上司の考えに寄りやすくなります。型4で「最後は上司が決める」とはっきりさせたうえで、進行はメンバーの持ち回りにするやり方もあります。型が決まっていれば、誰が進行しても同じように回せるので、持ち回りにもしやすくなります。
30分の短い定例でも、5つ全部やるんですか?
できればやってください。ただ、それぞれの時間は短くて大丈夫です。最初の読み上げは1分、終わりの確かめは3分くらいでも足ります。短い定例ほど、決めることを1つか2つに絞っておくと、時間内に終わりやすくなります。
オンラインの定例では、何を変えればいいですか?
議題を書いたドキュメントを、最初から最後まで画面に映しておくのがいちばん効きます。最初に読み上げたゴールと議題がずっと見えているので、話がそれても戻しやすくなります。終わりの5分で確かめたことも、その場でそのドキュメントに書き足していけば、議事メモを別につくる手間もなくなります。
まとめ
定例会議の進め方を、5つの型で紹介しました。
- ゴールを1行で書く:終わったときに何が決まっていればいいかを書く
- 議題を「決めること」で書く:テーマではなく何を決めるかで書き、使う時間も添える
- 最初の3分で進め方をそろえる:ゴールと議題、決め方、終わる時刻を読み上げる
- 決め方を先に決める:誰がどうやって決めるかを、話す前に決める。「今日は決めない」もあり
- 終わりの5分で確かめる:決まったことと、誰がいつまでにやるかを読み上げて、次の定例の最初に見る
まずは来週の定例で、ゴールの1行と「決めること」で書いた議題を用意して、最初の3分で読み上げるところから試してみてください。
hytenの会議改善研修では、この5つの型を座学で学んだあと、自分たちの定例会議を持ち込んでゴールと議題を書き直し、3〜4人の班で進行役をロープレで練習するところまでを、3時間でやります。研修の1か月後には、次の会議で試したかどうかを短いアンケートで確かめます。話がそれたときや誰も話さないときの進め方を練習する応用編もあります。自社の会議をどこから変えればいいか相談したい方は、会議改善研修の相談フォームからどうぞ。
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