合意形成とは
ごういけいせい/英語では consensus building
立場や考えの違う人たちが話し合い、全員が「それで進めよう」と言える結論にたどりつくこと。全員の大賛成とは限らない。
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合意形成は、まちづくりや公共の事業で住民と行政が話し合う意味でもよく使われますが、ここでは会社の会議やワークショップで、立場の違う人たちが一つの結論を決めることの意味で書きます。
意味
合意形成は、考えの違う人たちが話し合って、全員が受け入れられる結論にたどりつくことです。英語の consensus building にあたります。
大事なのは、合意は「全員が大賛成」とは違うことです。会社の中の合意は、たいてい次のような状態を指します。
- 自分の案とは違うが、決まった理由は分かっている
- 反対の意見は伝えたし、聞いてもらえた
- 決まった以上は、その方向で動く
結論の中身と同じくらい、「どう決めたか」に納得できているかどうかが、決めたあとに人が動くかを左右します。結論が同じでも、話を聞いてもらえないまま決まったと感じた人は、決まったことを進んで動かそうとはしません。
日本語で言い換えるなら、「意見のすり合わせ」「落としどころを決めること」です。
使い方と例文
- 企画会議で:「この件は営業と開発で意見が分かれているので、次の会で合意形成の時間を30分とります」
- 当日の冒頭で:「今日の決め方を先にお伝えします。意見を出し合ったあと、最後は部長に決めてもらいます」
- 決める場面で:「この案で進めることに、どうしても反対という方はいますか。反対ではないけれど心配、という点があれば、それもいまお願いします」
似た言葉との違い
| 言葉 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 合意形成 | 話し合って、全員が受け入れられる結論にたどりつく | 立場の違う人が関わる決めごと |
| 多数決 | 数の多い案に決める | 時間がないとき・影響が小さいとき |
| 全員一致 | 全員が賛成するまで決めない | 人数が少なく、全員が当事者のとき |
| 根回し | 会議の前に、関係者に個別に話を通しておく | 会議で反対が出そうなとき |
多数決は早く決まりますが、負けた側が納得しないまま残ることがあります。根回しは前もって意見を聞く手段として役立ちますが、会議の場で話し合わずに決まったように見えると、その場にいる人が置いていかれます。合意形成は、こうした決め方を議題に合わせて選ぶことも含みます。
実務で気をつけること
- 決め方を、話し始める前に決める:最後は誰が決めるのか、多数決か、今日は決めないのか。始める前に全員が知っていれば、話し合いのあとで「誰が決めるの」と止まりません。決め方を決めるのは主催者で、決める立場の人と前もってすり合わせておきます。決め方の種類は定例会議の進め方の型4にまとめています。
- 判断の基準を先にそろえる:案が並んで決まらないときは、意見よりも「何で選ぶか」がずれていることが多いです。「予算の中でできるか」「3か月で試せるか」のように基準を2つほど決めてから、案を比べます。基準のそろえ方はファシリテーションのコツのよくある質問にも書いています。
- 反対だけでなく「心配」も聞く:「反対の人はいますか」だけだと、手は挙がりません。「心配な点はありますか」と聞くと、あとで出てくるはずだった不安が、その場で出てきます。
- 決まったことを、その場で読み上げる:合意したつもりでも、受け取り方がずれていることがあります。進行役が結論を一文で読み上げ、全員が見ている画面やボードに書きます。読み上げたあとは少し間をとり、「違うところがあれば、いま言ってください」と聞きます。
- 決める人がいない場では、決めない:決める立場の人が欠席なら、その回は案と基準をまとめるところまでにします。いない人の代わりに決めると、あとでひっくり返ります。



