イベントマーケ用語集

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは

えーびーえむ/英語では account-based marketing

大和田 颯(株式会社hyten 代表取締役)・

狙う会社(アカウント)を先に決めて、その会社の中の何人もの人に合わせて働きかける、BtoBのマーケティングの考え方。

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ABMは、広告やデータの道具の説明でよく使われる言葉です。ここでは道具の話ではなく、狙う会社を決めて働きかけるという考え方と、そのなかでイベントやセミナーをどう使うかを書きます。

意味

ABMは Account Based Marketing の略で、「エービーエム」と読みます。日本語では「アカウントベースドマーケティング」。account は、ここでは「取引の相手の会社」のことです。

ふつうのリードジェネレーションは、広く人を集めて、その中から見込みのある人を選びます。ABMは順番が逆で、先に「この会社とお取引をしたい」という相手の会社を決め、その会社の中の人に合わせて働きかけます。

BtoBの大きな取引では、決めるのは1人ではありません。現場の担当者、部門の責任者、情報システムや購買の担当、役員など、何人もが関わります。ABMは、その会社の中の何人もの人に、それぞれの立場に合った情報を届けることを大切にします。営業とマーケティングが、同じ会社の一覧を見ながら一緒に動くのが前提です。

対象の会社の数を絞る分、一社ごとにかけられる手間は増えます。少ない数の大きな取引を狙う会社で、とくに使われる考え方です。

使い方と例文

  • 期の計画で「来期のABMの対象は、営業と話して決めた会社に絞ります。会社ごとに、関わる人の一覧を作りましょう」
  • 企画会議で「この招待制の会は、ABMの対象の会社の部長の方に絞ってお声がけします」
  • 振り返りで「対象の会社のうち、セミナーに2人以上来てくれた会社が増えました。相手の社内で話が広がっている印です」

似た言葉との違い

言葉 意味 始まり
ABM 狙う会社を決めて、その会社の中の人に働きかける 会社の一覧
リードジェネレーション 広く新しい見込み客を集める 集まった人
デマンドジェネレーション 集める・育てる・選ぶをつないだ、需要をつくる活動の全体 流れの全体

リードジェネレーションが「網を広げる」考え方なら、ABMは「相手を決めて、その会社に深く入る」考え方です。どちらか一方だけを選ぶより、広く集める活動と、絞った会社への働きかけを、期ごとに組み合わせる会社が多くあります。ABMでは、名簿に載っている人の数より、対象の会社の中で何人とつながっているかを見ます。

実務で気をつけること

  • 対象の会社は、営業と一緒に決める:マーケティングだけで決めると、営業から「その会社はもう話が止まっている」「いまは別の担当が動いている」と言われることがあります。期の初めに、営業の責任者と一覧を作り、会社ごとに誰が窓口かを決めます。一覧は、年に一度は見直します。
  • イベントは、少人数の招待制が使いやすい:大きなセミナーで広く呼ぶより、対象の会社の人だけを招く少人数の会や、お客様の事例を聞く会のほうが、話が深くなります。招く人の役職と人数を先に決めておくと、案内の文も作りやすくなります。会場では、対象の会社の人と自社の営業が話せるよう、席の並びまで考えておきます。
  • 会社ごとに、来た人をまとめて見る:ABMでは、1人の点数より、「その会社から何人が、どの回に来たか」が大事です。申込のデータを、会社の名前でまとめて見られるようにしておきます。表記がばらつくので、会社の名前のそろえ方も決めておきます。
  • 成果は時間をかけて見る:対象の会社が少ない分、数の変化は小さく見えます。参加した人の数より、会社の中で関わる人が増えたか、商談が進んだかを、半年や1年の単位で見ます。途中の報告では、対象の会社ごとに、つながっている人の数と役職を並べて見せます。引き渡しの決め方はイベントを商談につなげる導線設計にあります。
  • 会社ごとに、届ける話を変える:同じ会社でも、現場の担当者には使い方の話、責任者には成果の話、役員には投資の判断の話が響きます。招待の文や、終わったあとのお便りを、役割ごとに書き分ける手間を、先に見込んでおきます。

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