登壇・プレゼンの用語集

つかみ(プレゼン)とは

つかみ/英語では hook

大和田 颯(株式会社hyten 代表取締役)・

話の冒頭で、聞き手の関心を引きつける部分。「この話は自分に関係がある」と思ってもらい、本題を聞く姿勢をつくる。

登壇を頼まれたら:登壇準備チェックシート(無料・PDF) →

つかみは、お笑いの世界で、最初の笑いで客席を引きつけることを指す言葉でもあります。この用語集では、プレゼンや講演の冒頭で、聞き手を本題に引きつける部分の意味で書きます。笑いを取ることは、ここでは求めません。

意味

つかみは、話の最初の数十秒から数分の部分です。「心をつかむ」の「つかむ」から来た言い方で、英語では hook(引っかける)と言います。

ねらいは、聞き手に「この話は自分に関係がある」と思ってもらうことです。会場の人は、話が始まった時点では、まだ半分ほかのことを考えています。最初の部分で、その頭をこちらに向けてもらいます。

よく使われるのは、次のような入り方です。

  • 聞き手が思い当たる場面を描く
  • 答えを知りたくなる問いを投げる
  • 意外な事実を見せる

どれも一つに絞るのが要です。場面と問いと事実を全部入れると、冒頭だけで数分かかります。

使い方と例文

  • 企画会議で「基調講演のつかみで、参加者アンケートの結果を見せてもらえないか、登壇者に相談しましょう」
  • 打ち合わせで「冒頭の自己紹介が3分あります。つかみの場面を先に話して、経歴は司会の紹介に回しませんか」
  • 当日の現場で「オンラインの視聴者は最初に抜けやすいので、事務連絡は開始前に済ませます。時間ちょうどに、つかみから始めてください」

似た言葉との違い

言葉 意味 使う場面
つかみ 話の冒頭で、聞き手を本題に引きつける部分 講演、プレゼン、ピッチの最初
アイスブレイク 参加者どうしの緊張をほぐす短い活動 ワークショップ、研修、会議の始め
前説 本番の前に、会場の注意事項や流れを伝える案内 イベントの開始前
導入 本題に入る前に、話の目的や流れを示す部分 講演、研修、授業

アイスブレイクは、参加者どうしが話しやすくなるための活動です。つかみは、話し手に注意を向けてもらうための部分です。向きが違います。くわしくはアイスブレイクのページにまとめています。

前説は、司会や運営が本番の前に行う案内です。会場の空気を温める役も持ちますが、話の中身には入りません。つかみは、登壇者が本題の一部として話します。

導入は、話の地図を渡す部分です。つかみで関心を引いたあとに、導入で「今日はこの順で話します」と示す、という順に置くことが多くあります。

実務で気をつけること

  • 笑いを取りにいかなくてよい:会社のイベントでは、冗談が外れると、そのあとの数分が重くなります。笑いより、聞き手が「それ、うちでもある」とうなずける場面のほうが、確実に引きつけられます。主催者が「冒頭で場を和ませてください」と頼むときも、冗談ではなく、参加者に近い場面から入ってもらうようにお願いします。
  • 自己紹介を、つかみの代わりにしない(登壇する側):経歴から始めると、聞き手は本題を待たされます。主催者に司会の紹介文で経歴を伝えてもらい、本人は場面や問いから入ると、冒頭が短くなります。
  • 主催者は、紹介文と冒頭が重ならないように調整する:司会が紹介で話した内容を、登壇者がもう一度話すのは、よくある場面です。紹介文を前日までに登壇者へ見せて、冒頭で何を話すかを確かめます。
  • オンラインでは、最初に映す1枚もつかみに使う:ウェビナーでは、話し手が口を開く前から画面を見られています。開始の直後に映すページを題名だけにせず、問いや場面を書いておくと、最初の数十秒で離れる人を減らせます。
  • 最初の一文は、決めて練習する:つかみの部分だけは、その場の思いつきに任せず、言葉と動きを決めておきます。緊張していても、出だしの言葉が口から出れば、あとは続きます。間の置き方はスピーチの演出にまとめています。
  • 締めで、冒頭の場面に戻る:最初に描いた場面や問いに最後でもう一度触れると、話の始まりと終わりがつながります。組み立ては記憶に残るプレゼンの構成を見てください。

くわしく読む

登壇・プレゼンの用語集の一覧へ 事業成長につなげる場の用語集へ