登壇・プレゼンの用語集

間(ま)とは

ま/英語では pause

大和田 颯(株式会社hyten 代表取締役)・

話の途中に、あえて置く短い沈黙。聞き手が言葉を受け止める時間になり、大事な一言を目立たせる。

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間(ま)は、芸能や音楽、建築でも使われる言葉です。この用語集では、登壇やプレゼンの話し方で、話の途中に置く短い沈黙という意味で書きます。

意味

間は、話の中の「何も言わない時間」です。息つぎのための切れ目ではなく、話し手が意図して置く沈黙を指します。英語では pause(ポーズ)と言います。

間には、主に3つの働きがあります。

  1. 聞き手が追いつく:話を聞きながら、頭の中で意味をつかむ時間になる
  2. 大事な一言を目立たせる:言う前に黙ると、聞き手の注意が集まる
  3. 話の区切りを伝える:まとまりが変わるところで黙ると、次の話に移ったことが伝わる

「間が悪い」「間が抜ける」という言い方があるように、間は長ければよいものではありません。置く場所と長さで、働きが変わります。長さの目安は、ひと呼吸から数秒ほどです。それ以上になると、聞き手は話し手が言葉に詰まったのかと心配し始めます。

間を置きやすいのは、次のような場所です。

  • 話し始める前:壇上に立ってすぐ話さず、会場を見てから最初の一言を言う
  • 問いかけのあと:聞き手が自分の答えを考える時間をつくる
  • 結論や数字の前後:言う前に黙って注意を集め、言ったあとに黙って残す
  • まとまりの切れ目:次の話に移る前に一呼吸おく

使い方と例文

  • リハーサルで「いまの結論の前に、2秒ほど間を置いてみてください。そこがいちばん大事なところなので」
  • 原稿の確認で「数字を言ったあとに間を入れましょう。聞いた人が数字を覚える時間がほしいです」
  • 打ち合わせで「質問を投げかけたら、すぐに答えを言わずに間を取ってください。会場の人が、自分の答えを考えます」

似た言葉との違い

言葉 意味 話し手の意図
間 話の途中に置く短い沈黙 ある(置く場所を選んでいる)
言いよどみ 言葉に詰まって止まること。「えー」「あの」が入ることも多い ない
テンポ 話全体の速さやリズム 話全体の調子として決める

言いよどみも、外から見ると話が止まっている点は同じです。違いは、話し手が自分で選んだ沈黙かどうかです。言いよどみが多いときは、「えー」と言う代わりに黙ると、それだけで間に変わります。

テンポは話全体の調子で、間はその中の一点です。速いテンポで話していても、大事なところで間を置けば、そこが目立ちます。

実務で気をつけること

  • 置く場所を原稿に書き込む(登壇する側):本番では緊張して早口になり、間を飛ばしがちです。原稿や発表者ノートに「/」などの印をつけ、どこで黙るかを決めておきます。
  • 問いかけのあとは長めに待つ:会場に問いを投げて、すぐに答えを言うと、聞き手は考える前に答えを聞くことになります。心の中で3つ数えるくらい待つと、聞き手が自分の答えを持てます。
  • オンラインでは、少しだけ短くする:配信では、沈黙が長いと「音が切れたのでは」と思われることがあります。目線をカメラに向けたまま、うなずくなど、話し手がそこにいることが分かる形で間を置きます。
  • 録音して聞き返す:間は、自分では長く感じても、聞く側にはちょうどよいことが多いものです。リハーサルを録音し、音だけで聞くと、間が足りないところが分かります。演出としての間の使い方はスピーチの演出にまとめています。
  • 主催者は、司会の間も合わせて決める:登壇者の紹介のあとや、拍手のあとに少し間を置くと、場が落ち着いてから話が始まります。司会の台本にも、間を置く場所を書いておきます。

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