登壇・プレゼンの用語集

ピッチデックとは

ぴっちでっく

大和田 颯(株式会社hyten 代表取締役)・

ピッチで使う、短い説明用のスライド一式。出資・提携・導入など、相手に次の一歩を決めてもらうために、事業の要点を少ない枚数にまとめたもの。

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ピッチデックは、スタートアップが投資家に事業を説明する資料の呼び名として広まった言葉です。いまは、取引先への提案やピッチイベントの登壇で使う資料にも使われます。この用語集では、登壇や提案の場で映すスライドの意味で書きます。

意味

ピッチデック(pitch deck)は、ピッチで使うスライドの一式です。deck は英語でトランプのひと組のことで、スライドの束をこう呼びます。「ピッチデッキ」と書かれることもありますが、同じものです。

中身は、相手に次の一歩を決めてもらうための要点です。説明を尽くす資料ではなく、続きを聞いてみたいと思ってもらうための資料です。よく使われる流れは次のとおりです。

  1. 相手が抱えている課題
  2. 自分たちの解き方
  3. なぜいま、なぜ自分たちなのか(伸び、これまでの手応え、チーム)
  4. お願いしたいこと(出資、提携、導入の相談など)

投資家に向けたものでは、市場の大きさや収益の仕組み、資金の使い道を足します。取引先に向けたものでは、相手の会社にとって何が変わるかを厚くします。

使い方と例文

  • 企画会議で「ピッチイベントの持ち時間は5分です。ピッチデックは、映す用と送る用を分けて作りましょう」
  • 依頼のメールで「当日のピッチデックを、3日前までにお送りいただけますでしょうか。会場で投影できるかを確かめます」
  • 当日の現場で「ピッチデックは、最後の問い合わせ先のページで止めておいてください。質疑のあいだも映しておきます」

似た言葉との違い

言葉 意味 使う場面
ピッチデック 相手に次の一歩を決めてもらうための、短い説明用のスライド 出資の相談、ピッチイベント、提携の提案
会社案内 会社の事業や歩み、体制をひととおり紹介する資料 初めての相手への紹介
プレゼン資料 発表や提案で使うスライド全般 講演、商談、社内の報告

会社案内は、何を聞かれても答えられるように、ひととおりを載せます。ピッチデックは逆で、相手が決めるのに要る話だけに絞ります。同じ会社の資料でも、作る向きが反対です。

プレゼン資料は広い言葉で、ピッチデックはその一つです。

実務で気をつけること

  • 作る前に「誰に、何を決めてほしいか」を一文で書く。出資なのか、提携の検討なのか、導入の相談なのか。ここが決まらないまま作ると、会社案内を短くしただけの資料になります。
  • 映す用と、送る用を分ける。壇上で映す資料は、話を助けるために文字を少なくします。あとで送る資料は、話を聞いていない人が読んでも分かるように言葉を足します。1つのファイルで両方をかなえようとすると、どちらとしても使いにくくなります。
  • 枚数は持ち時間から決める。1枚に1分ほどかけて話すと考え、持ち時間に入る分だけにします。入りきらない数字や細かい説明は、質疑で聞かれたときに出す予備のページとして、最後に回します。
  • 数字は一つに絞って大きく見せる。市場の大きさ、伸び、顧客の数などを1枚に並べると、どれも残りません。いちばん伝えたい数字を一つ選び、ほかは予備のページに置きます。
  • イベントで使うときは、主催者の決まりを先に聞く。画面の縦横の比率、ファイルの形式、提出の締め切り、動画や音を使えるか。主催者が1台のパソコンにまとめて映すことも多いので、早めに確かめます。

1週間後まで残る流れの組み方は記憶に残るプレゼンの構成に、スライドと話す言葉の関係はプレゼンテーションライティングとはにまとめています。

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