登壇・プレゼンの用語集

ワンスライド・ワンメッセージとは

わんすらいどわんめっせーじ/英語では one slide, one message

大和田 颯(株式会社hyten 代表取締役)・

1枚のスライドで伝えることを一つに絞る、資料の作り方の考え方。見出しを一文の主張にし、ほかの要素はそれを支えるものだけにする。

登壇を頼まれたら:登壇準備チェックシート(無料・PDF) →

ワンスライド・ワンメッセージは、誰か一人が考えた手法の名前というより、プレゼンの資料づくりで広く言われる考え方です。この用語集では、登壇で映すスライドを作るときの考え方として書きます。

意味

ワンスライド・ワンメッセージは、1枚のスライドで伝えることを一つにする、という考え方です。「1スライド1メッセージ」とも書きます。

聞き手は、スライドを読みながら話を聞くことはできません。1枚に言いたいことが3つあると、読んでいるあいだに話が先へ進み、どちらも半分しか届きません。1枚に一つなら、聞き手は「このページは、これを言っている」と一目で分かったうえで、話に耳を向けられます。

作るときは、次のようにします。

  • 見出しを、テーマの名前ではなく一文の主張にする(「アンケートの結果」ではなく「質問が多かったのは料金のこと」のように)
  • 図や数字は、その主張を支えるものだけを残す
  • 伝えたいことが2つあるなら、ページを2枚に分ける

例外は、比べることそのものが言いたいことのページです。2つの案を並べる、前と後を並べる、といった場合は、並べた全体で一つのメッセージになります。

使い方と例文

  • 打ち合わせで「このページは言いたいことが3つあります。ワンスライド・ワンメッセージで、3枚に分けましょう」
  • 依頼のメールで「会場が広く、後ろの席からは小さな文字が読めません。ワンスライド・ワンメッセージを意識して、文字は大きめにお作りいただけますと助かります」
  • 企画会議で「登壇者に渡す資料の手引きに、ワンスライド・ワンメッセージと、見出しを一文で書くことを入れておきましょう」

似た言葉との違い

言葉 意味 範囲
ワンスライド・ワンメッセージ 1枚で伝えることを一つにする考え方 スライド1枚
キーメッセージ 聞き手に持ち帰ってほしいことを一文にしたもの 講演・プレゼンの全体
見出し そのページで何を言うかを示す一行 スライド1枚の上

キーメッセージは、話の全体の中心に置く一文です。ワンスライド・ワンメッセージは、1枚ごとの決まりです。各ページのメッセージを順に読んでいくと、キーメッセージにたどり着く。この関係にしておくと、話の筋が通ります。

見出しは、ページの上の一行です。ワンスライド・ワンメッセージでは、この見出しにメッセージを書きます。見出しだけを読めば、そのページで言いたいことが分かる形です。

実務で気をつけること

  • 映す資料と送る資料を分ける:1枚に一つに絞った資料は、話を聞いていない人が読むと、言葉が足りません。終わったあとに送るなら、説明を足した別の版を作ります。1つのファイルで済ませると、映すには文字が多く、読むには説明が足りない資料になりがちです。
  • ページが増えてもよい。ただし持ち時間で上限を決める:一つに絞ると、枚数は増えます。それ自体は困りませんが、持ち時間の中で話しきれる枚数を超えないようにします。入りきらないページは、質疑で使う予備に回します。
  • 見出しから書き始める(登壇する側):中身を作る前に、見出しの一文だけを全ページ分並べます。並べた見出しを読み上げて話が通るなら、骨組みはできています。スライドと話す言葉の関係はプレゼンテーションライティングとはにまとめています。
  • 言葉を削ってから、図を足す:言いたいことが一つに決まると、残す言葉も決まります。先に言葉を削り、それでも伝わりにくいところにだけ、図や写真を足します。足したあとは、見出しの一文と図が同じことを言っているかを見直します。
  • 主催者は、会場の条件を資料の手引きに書く:画面の縦横の比率、後ろの席から読める文字の大きさ、動画を使えるか。登壇者に早めに渡しておくと、1枚に詰め込んだ資料が直前に届くことが減ります。

くわしく読む

登壇・プレゼンの用語集の一覧へ 事業成長につなげる場の用語集へ