巻くとは
まく
進行を予定より早めること。また、予定より早く進んでいること。「巻きで」「3分巻いてください」のように使う。
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「巻く」は、糸やテープを巻くことですが、イベントの現場では時間を縮めるという意味になります。ここでは、カンファレンスやセミナーの当日に「巻きで」と頼むときの意味で書きます。
意味
巻くとは、進行を予定より早めること。また、予定より早く進んでいることです。「巻きで」「2分巻いてください」「いま3分巻いてます」のように使います。名詞は「巻き」です。「時間を巻く」「巻きで進める」とも言います。
由来ははっきりしませんが、手をくるくると回す合図とセットで使われることが多い言葉です。放送の現場から広まった言い方で、反対の言葉は「押す」(進行が遅れていること)です。
巻くには、2つの使い方があります。
- 頼む:「巻きでお願いします」は、話を短くまとめてほしいという意味
- 報告する:「いま2分巻いてます」は、予定より早く進んでいるという意味
同じ言葉で頼みと報告の両方ができるのが、巻きの便利なところです。そして、まぎらわしいところでもあります。
使い方と例文
- 「基調講演が5分押しました。次のセッション、3分巻きでお願いできますか」(進行の責任者から、次の登壇者へ)
- 「残り5分です。巻きでまとめに入ってください」(カンペで)
- 「前半で巻いた分、交流の時間を長めにとります」(司会とスタッフの打ち合わせで)
壇上の登壇者に、口で「巻いて」とは言えません。そこで使うのが合図です。客席の後ろから、手を大きくくるくる回すのが巻きの合図。反対に、両手を左右に引き離すように広げると「延ばして」の合図になります。
あるあるなのが、巻きの合図を見た登壇者が、話を短くするかわりに早口になることです。話す量は変わらず、聞き取りにくさだけが増えます。巻きを頼むときは「最後のスライドに進んでください」のように、どこを飛ばすかまで伝えると確実です。
似た言葉との違い
| 言葉 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 巻く | 進行を予定より早めること | 押しを取り戻すとき |
| 押す | 進行が予定より遅れていること | 遅れを報告するとき |
| 詰める | 枠と枠のあいだの時間を短くすること | 休憩や入れ替えを短くするとき |
| 延ばす | 枠を予定より長くすること | 巻きすぎて時間が余ったとき |
「巻く」は話の中身を短くすること、「詰める」は枠と枠のすき間を短くすることです。押しを取り戻すときは、まず詰め、それでも足りなければ巻く。この順で考えると、登壇者への負担が少なくなります。
実務で気をつけること
- 巻きの合図は、前日までに登壇者と決める:手を回す合図を知らない登壇者は少なくありません。カンペで出すのか、手で出すのか、どこから出すのかを、打ち合わせで伝えておきます。
- 巻きを頼めるのは、進行の責任者だけにする:スタッフがそれぞれ合図を出すと、登壇者は誰を見ればいいか分からなくなります。合図を出す人は1人です。当日の運営を頼むときも、巻く判断を誰が持つかを先に決めます。頼める範囲の分け方は、イベント・カンファレンス運営代行はどこまで頼めるかにまとめています。
- 巻ける枠を、先に決めておく:どの枠でどれだけ巻けるかは、当日ではなく準備の段階で決めます。質疑や交流の時間は巻きやすく、基調講演は巻きにくい枠です。
- 巻きすぎにも備える:巻いた結果、予定より早く終わりそうになることもあります。全体の質疑や次回の案内など、延ばせる枠を1つ持っておくと慌てません。司会が読む一文はセミナーの司会台本の書き方にあります。
- 巻きは、早口ではなく削ること:頼む側も頼まれる側も、ここを取り違えないようにします。遅れの伝え方は押すで扱っています。


