自社カンファレンスの集客方法誰を呼ぶか、6つの経路と時期、来場から商談まで

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自社カンファレンスの準備で、担当者が気をもむことの多いのが集客です。会場は押さえた。基調講演も決まった。けれど申込ページを公開して1週間、申込の数が思ったように増えない——。

カンファレンスの集客を、セミナーの集客を大きくしたものと考えると、つまずきます。セミナーとの違いは3つあります。

  1. セッションが複数あり、来てほしい人が1種類ではない
  2. 登壇者や協賛企業など、自社の外にも案内してくれる人がいる
  3. 準備の期間が長く、告知を何度も重ねられる

この3つを使えるかどうかで、集まる人数と顔ぶれが変わります。

この記事では、BtoBの自社カンファレンスの集客を、来てほしい人の決め方から、6つの経路の使い分け、開催日から逆算した時期、申込から来場までの対策、来場から商談につなげる流れまで順に整理します。1回のセミナーの企画と集客はセミナーの企画から集客までに、カンファレンスの立ち上げ全体は自社カンファレンスの立ち上げ方にまとめています。

最初に、来てほしい人を3つに分けて名簿にする

集客の計画は、告知の方法からではなく、来てほしい人の名簿から始めます。BtoBのカンファレンスに来てほしい人は、たいてい次の3つに分かれます。

来てほしい人 来てほしい理由 主な案内の経路
既存のお客様 活用を広げてもらう、ほかの部署にも広げてもらう、事例として話してもらう カスタマーサクセス、担当の営業、お客様向けのメール
見込みのお客様 商談を始める、検討を前に進める 営業の個別の招待、メール、広告、パートナー
パートナーと業界の人 一緒に売る関係を深める、業界の中での立ち位置をつくる パートナーの担当、登壇者、協賛企業

3つのどこに重心を置くかは、カンファレンスの目的で決まります。割合を決めずに集めると、商談を増やしたいのに、来たのは既存のお客様ばかりだった、ということが起きがちです。目的に合わせて「既存のお客様と見込みのお客様を半々に」のように割合を先に決め、それぞれの名簿をつくります。

見込みのお客様は、会社の名前まで挙げた名簿にしておくと、営業が動きやすくなります。狙う会社を先に決めて、その会社の何人かに来てもらう考え方はABMと呼ばれます。

セッションごとに「誰に向けた話か」を決めておく

カンファレンスでは、プログラムそのものが集客の材料になります。セミナーなら1つのテーマで1種類の人を呼びますが、カンファレンスは複数のセッションで、違う人を呼べます。

そのため、プログラムを組むときに、セッションごとに「誰に向けた話か」を1行で書いておきます。

  • 基調講演:来てほしい人の全員に向けて、その回のテーマを示す
  • 事例のセッション:既存のお客様と、導入を検討している会社の担当者に向けて
  • 実務のセッション:現場の担当者に向けて、持ち帰れる手順を
  • パネルディスカッション:決裁する立場の人に向けて、判断の材料を

こうしておくと、告知のときに「この会社のこの人には、このセッションを案内する」と決められます。全員に同じ案内を送るより、その人に合うセッションを1つ名指しした案内のほうが申込につながります。基調講演だけで人を集めようとすると、話す人の知名度に頼ることになり、来てほしい人とは違う人が集まることもあります。

集客の経路は6つ。それぞれ効く時期が違う

カンファレンスの集客の経路は、大きく6つです。

経路 届く人 効く時期 準備しておくもの
既存のお客様 導入済みの会社の担当者と上長 日程を決めた直後から 日程の先出しの案内、担当者が添える一言
パートナー・協賛企業 パートナーのお客様、取引先 申込ページの公開から 案内文、画像、経路ごとの申込URL
登壇者 登壇者の同僚、つながりのある人 セッションの発表から 登壇者用の告知文と画像
社内の営業 商談中・検討中の会社 申込ページの公開から直前まで 招待の文面、名簿、声をかけたかの記録
メール・自社のサイト・SNS 資料請求やセミナーに来た人 発表のたびに 発表の予定表、配信の文面
広告・メディア 名簿の外の人 申込ページの中身が固まってから 申込ページ、広告の予算、経路ごとの申込URL

既存のお客様には、日程が決まったらすぐ、申込ページの公開を待たずに「この日に開きます」と知らせます。予定を先に押さえてもらえると、ほかの予定と重なりにくくなります。一斉送信より、担当のカスタマーサクセスや営業から一言添えて送るほうが効きます。自社の持つ連絡先の一覧(ハウスリスト)から送るときは、最近の反応(セミナーへの参加や資料のダウンロード)を見て、案内する順番を決めます。

パートナー・協賛企業は、自社の名簿の外に届く経路です。「告知をお願いします」だけでは動いてもらえないので、そのまま使える案内文と画像、そして経路ごとに分けた申込のURLを渡します。URLを分けておくと、どの経路から何件の申込があったかが分かります。分け方にはUTMパラメータを使います。協賛の条件に、案内の回数や方法を入れておく方法もあります。

登壇者は、自分が話すことを、同僚やつながりのある人に知らせてくれることがあります。お願いするときは、書き換えずに使える短い告知文と、登壇者の名前とセッション名が入った画像を用意します。登壇者の手間を減らすほど、知らせてもらいやすくなります。社内の登壇者にも同じものを渡し、担当のお客様に案内してもらいます。

社内の営業は、数は多くありませんが、来てほしい人に直接届く経路です。営業に頼むときは、誰に声をかけるかの名簿と、案内の文面と、どのセッションを勧めるかをそろえて渡します。声をかけた相手と返事を1つの表に残してもらうと、直前に「まだ申し込んでいない重点の会社」へもう一度声をかけられます。

メール・自社のサイト・SNSは、発表のたびに使います。基調講演の発表、セッションの発表、タイムテーブルの公開、懇親会の案内。1回の告知に全部を詰め込まず、新しい知らせがあるたびに案内すると、前回は見送った人にも届きます。発表の予定は、先に表にしておきます。

広告・メディアは、名簿の外にいる人に届けたいときの手段です。申込ページの中身(登壇者・セッション・タイムテーブル)が固まってから使うほうが、申込につながります。費用の目安と、来場の見込みから申込の目標を逆算する考え方はカンファレンス開催の費用にまとめています。

開催日から逆算した集客の時期

カンファレンスの準備には半年ほどかかります。集客の動きを時期ごとに並べると、次のようになります。

時期 集客でやること 主な経路
6か月前 来てほしい人の割合と名簿を決める。登壇者に打診する —
4か月前 既存のお客様とパートナーに、日程だけを先に知らせる 既存のお客様、パートナー
3か月前 申込ページを公開し、基調講演を発表する。営業が招待を始める 営業、メール
2か月前 セッションを順に発表する。パートナーと登壇者に案内を頼む パートナー、登壇者、メール
1か月前 タイムテーブルを公開する。申込がまだの重点の会社に、営業からもう一度声をかける 営業、メール、広告
2週間前〜前日 参加の案内と、リマインドメールを送る メール

ポイントは、申込ページの公開を、プログラムが全部決まるまで待たないことです。日程と基調講演が決まった時点で公開し、残りは発表のたびに足していきます。全部がそろってから公開すると、告知できる期間が短くなり、発表を重ねる機会も減ります。開催日を入れて自社の日付で見るなら、イベント準備スケジュール表が使えます。集客まで外に頼むなら、イベントの提案依頼書(RFP)で「誰に・いつ・何回案内するか」を提案に入れてもらうと、各社の計画を並べて比べられます。

申込から来場までの歩留まりを上げる

申込が集まっても、当日来ない人は出ます。無料のカンファレンスでは、当日までに人が減るのを前提に計画し、減り方の見込み(来場率)から申込の目標を逆算しておきます。

カンファレンスで来場を増やすためにできることは、次のとおりです。

  • 申込のときに、聞きたいセッションを選んでもらう:自分で選んだ予定は、ただ申し込んだだけの予定より忘れにくくなります
  • 上長に出す案内文を用意する:半日や1日、席を空けるには、上長の了承が要る人もいます。「参加して持ち帰れること」を3行にまとめた文を、申込の完了メールに入れておきます
  • 同じ会社の同僚を誘ってもらう:申込の完了ページに、同僚を誘う一文と申込のリンクを置きます。同じ会社から2人で来ると、終わったあとに社内で話が進みやすくなります
  • リマインドに「その人の予定」を入れる:前日と当日の朝に、選んだセッションの時刻と部屋を入れて送ります
  • 会場でしか得られないものを書く:個別の相談の枠、参加者どうしの交流、展示。オンラインでも見られるなら、なおさら会場に来る理由を案内に書きます

連絡なく当日来ない人はノーショーと呼ばれます。前日のリマインドに「来られなくなったときの連絡先」を入れておくと、当日の席や資料の数を合わせやすくなります。

来場した人を商談につなげる流れ

来てほしい人を名簿で決めて集めたのなら、当日と終わったあとも、その名簿で追います。当日にやることは3つです。

  1. 重点の会社には、担当の営業が付く:受付からセッションのあいだ、その会社の人に声をかける担当を決めておきます。登壇者やゲストのアテンドと同じように、担当表をつくります
  2. 個別の相談の枠を、前もって予約できるようにする:当日その場で「相談したい」と言い出せる人は多くありません。申込のときや直前の案内で、相談の枠を予約できるようにしておきます
  3. どのセッションに出たかを残す:受付と各セッションの入室を記録しておくと、その人が何に関心があるかが分かります

終わったあとは、出たセッションに合わせて、お礼の中身を変えます。たとえば、事例のセッションに出た人には同じ業種の事例の資料を、実務のセッションに出た人にはその手順の資料を送ります。重点の会社には、48時間以内に担当の営業から個別に連絡します。当日・48時間・中期・営業への引き渡しの4つに分けた導線の設計は、イベントを商談につなげる導線設計で詳しく書いています。

振り返りでは、経路ごとに、申込・来場・商談の数を並べます。申込は多いのに来場が少ない経路もあれば、来場は少ないのに商談が多い経路もあります。経路ごとに分けて見ると、次の回にどこへ力を入れるかが決まります。来場した人の数だけで振り返ると、集めやすい経路ばかりに力を入れることになります。測り方はイベントの効果測定にまとめています。

よくある質問

広告は使ったほうがいいですか?

はじめての開催なら、既存のお客様・社内の営業・パートナーから始めてください。広告は名簿の外の人に届けたいときの手段で、来てほしい人と違う人が集まることもあります。使うなら、申込ページの中身が固まってから、案内したいセッションと届けたい人を絞って出します。

協賛企業(スポンサー)にも集客を手伝ってもらえますか?

協賛の条件に入れておけば、手伝ってもらえます。案内の回数や方法(メール・SNS・営業からの声がけ)を、協賛を決める段階で取り決めておきます。そのとき、協賛企業のお客様が、自社の来てほしい人と重なっているかも確かめてください。重なっていないと、申込は増えても商談にはつながりにくくなります。協賛企業が話す枠については、用語集のスポンサーセッションで実務の注意点とあわせて説明しています。

オンラインでも配信すると、会場に来る人が減りませんか?

減ることはあります。そのため、会場でしか得られないものを案内に書いておきます。個別の相談、参加者どうしの交流、展示などです。配信を当日ではなく、後日の録画にする方法もあります。会場とオンラインの両方で開く形で気をつけたいことは、用語集のハイブリッド開催にまとめています。

まとめ

  • カンファレンスの集客は、来てほしい人を3つ(既存のお客様・見込みのお客様・パートナーと業界の人)に分けた名簿から始める
  • セッションごとに「誰に向けた話か」を決め、その人に合うセッションを名指しして案内する
  • 経路は既存のお客様・パートナーと協賛企業・登壇者・社内の営業・メールとサイト・広告の6つ。効く時期が違う
  • 申込ページは全部決まるのを待たずに公開し、発表のたびに案内を重ねる
  • 来場を増やすには、セッションを選んでもらう、上長への案内文を渡す、同僚を誘ってもらう、その人の予定を入れてリマインドする
  • 来場した人には出たセッションに合わせてお礼を送り、重点の会社には48時間以内に営業から連絡する

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