外部ファシリテーターの選び方と費用オフサイト・社内ワークショップを頼む前に

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オフサイトミーティングや社内ワークショップを任されて、テーマと日程は見えてきた。でも、当日の進行を誰に頼むかで迷っている。社内の誰かにお願いするのか、外のファシリテーターに頼むのか。外に頼むなら、何を見て選べばいいのか、いくらかかるのか。

この記事では、外部のファシリテーターに頼むかどうかの判断から、ファシリテーターが当日の前後にやること、依頼のときに伝えること、費用の決まり方、頼む前に確かめたいことまでをまとめます。

オフサイトのテーマや時間割の決め方はオフサイトミーティングの進め方に、当日の進行の技術はファシリテーションのコツに書きました。ここでは、進行を誰に頼むかを決める側の話に絞ります。

社内で進めるか、外部のファシリテーターに頼むか

社内の人が進行役をやると、その人は議論に加わりにくくなります。進行をしながら自分の意見を言うと、場がその意見に引っぱられるからです。役職や部門の立場からも離れにくく、踏み込んだ問いを投げにくくなります。

逆に言えば、進行役になれる人が議題から少し離れていて、参加者のあいだの立場の差も小さい場なら、社内で十分に回せます。目安を表にすると、次のようになります。

場の条件 向いている進行役 理由
毎週の定例会議・チームの振り返り 社内 くり返す場は、社内で回せる形にしたほうが続く
進行役になれる人が、議題の当事者 外部 当事者が進行すると、議論に加われないか、話が自分の意見に寄る
部門のあいだで利害がぶつかる 外部 どちらの部門にも属さない人のほうが、率直な言葉が出やすい
決裁者が参加する、はじめての場 外部 決裁者の前では、社内の進行役は話を止めたり戻したりしにくい
経営合宿など、決めるテーマが重い 外部 社内の人には、全員参加者として議論に加わってもらいたい

外部が向いている4つのうち、1つでも当てはまるなら、外に頼むことを考えてみてください。社内で進めるなら、決める人ではなく、テーマから少し離れた人にお願いします。

社内と外部の中間の形もあります。場の設計だけを外に頼み、当日の進行は社内の人が担う形です。設計と一緒に進行の手引きまで残してもらえば、同じような場を2回目からは社内で開けます。

外部ファシリテーターが、事前・当日・終わったあとにやること

外部のファシリテーターというと、当日の進行役を思い浮かべるかもしれません。でも、場の出来は当日より前の準備でかなり決まります。頼む前に、どこまでをお願いするのかを、事前・当日・終わったあとに分けて考えておきます。

時期 ファシリテーターがやること 頼む側が用意すること
事前 目的を聞く。テーマ・時間割・問い・卓の組み方を決める。事前課題をつくる。進行台本を書く 目的、参加者の名簿、決める人の予定、触れにくい事情
当日 進行する。押したときは決めておいた順番で削る。最後に「誰が・いつ・何を」を決める 会場と機材、決める人が最後までいること、書く人(書記)を誰にするか
終わったあと 決まったことをまとめて配る。結果のレポートを書く。進み具合を確かめる日を決める 決まったことを動かす担当、次に確かめる日の予定

事前の段階で見ておきたいのは、ファシリテーターが最初に「この日が終わったあと、誰の何が変わっていてほしいか」を聞いてくるかどうかです。テーマも時間割も、そこから逆算して決まります。ここが曖昧なまま進むと、当日は意見の出し合いで終わります。参加者の見方を事前に集めるやり方はワークショップの事前課題の設計に書きました。

終わったあとのことは、頼む範囲に入っているかどうかを最初に確かめておきます。決まったことを実行に落とすまでの3週間の運び方は、ワークショップの振り返りにまとめています。

外部に頼んでも、決めるのは社内の人です。決める人の時間を押さえることと、決まったことを動かす担当を立てることは、頼む側の仕事として残ります。

依頼のときに伝える6つ

外部のファシリテーターに連絡するときは、次の6つを伝えます。全部が決まっていなくても、分かる範囲で書いておけば、最初の打ち合わせから中身の話ができます。

  1. この日が終わったときに、決まっていてほしいこと(1文で)
  2. 決める人は誰か。その人は最後まで場にいられるか
  3. 参加者:人数と、部門・役職の混ざり方
  4. 日程と形式:半日・1日・1泊2日、会場、オンラインかどうか
  5. 予算の枠:決まっていなくても、上限の目安があれば
  6. 触れにくい事情:前回決めたことが動いていない、部門のあいだで考え方がずれている、など

いちばん抜けやすいのは6です。社外の人には話しにくいことですが、ファシリテーターがそれを知らないと、当日その話題で場が止まったときに、戻し方を用意できません。先に知っていれば、問いの順番や卓の組み方を変えて、話しやすい形をつくれます。

架空の例で書くと、こんなメモになります。

この日が終わったとき:来期に力を入れる3つと、それぞれの責任者が決まっている
決める人:事業部長(2日目の昼まで参加できる)
参加者:部長・マネージャー18名(営業・企画・開発がほぼ同じ人数)
日程と形式:1泊2日、社外の研修施設
予算:会場と宿泊とは別に、進行の費用の上限を決めてある
触れにくい事情:前回の合宿で決めたことの半分が動いていない。営業と開発で、優先順位の考え方がずれている

決める人が2日目の途中で帰る予定なら、それも書いておきます。決める時間をいつに置くかが変わるからです。はじめて連絡するときの依頼文は、研修講師の探し方と頼み方の例を書き換えて使えます。

外部ファシリテーターの費用の決まり方

外部ファシリテーターの費用は、当日の時間だけでは決まりません。主に次の5つで動きます。

費用が動くところ 増えるとき
日数 半日より1日、1日より1泊2日
人数 卓が増えて、補助の進行役が必要になる
事前の準備 事前課題の設計や、議論の土台にする資料づくりまで頼む
終わったあと 結果のレポートや、進み具合を確かめる場まで頼む
実費 会場・宿泊・食事・交通費

見積もりを比べるときは、当日の時間ではなく、事前と終わったあとに何が含まれているかをそろえてください。当日の進行だけを頼んだ見積もりと、事前の設計から終わったあとの確かめまで頼んだ見積もりでは、金額が違って当然です。

参考までに、hytenの料金の目安(税別)は次のとおりです。

プログラム 料金の目安(税別) 内容
社内ワークショップ 30万円〜 顧客解像度ワークショップは30万円で、事前課題の設計、AIによる示唆資料、当日の進行(120分・15名くらいまで)、結果レポートまで。ほかのテーマはお見積り
オフサイトミーティング・経営合宿 お見積り 半日〜2日、30名前後まで。日数や人数、プログラムの内容で変わるため、テーマを伺ってからお見積り

どちらも日当ではなく、設計から当日の進行まで含めたプログラム一式の料金です。オフサイトの会場や宿泊の手配は、テーマと人数が決まってからのご相談になります。

オフサイトの費用を社内に説明するときの書き方は、オフサイトミーティングの進め方の「費用を社内に説明するとき」に書きました。

頼む前に確かめたいこと

候補のファシリテーターと話すときは、次のことを見てください。引っかかるところがあったら、その場で聞き直してみます。

  • 目的より先に、プログラムの型から話が始まっていないか:最初に聞かれるのが「この日が終わったあと、何が決まっていてほしいか」なら安心です
  • 決める人が誰で、最後まで場にいるかを確かめてくれるか:決める人がいない場は、進行をどう工夫しても「持ち帰って検討」で終わります
  • ゲームやレクリエーションが中心になっていないか:ゲームで盛り上がった関係は、職場に戻ると元に戻りやすいので、事業の実際のテーマで混ざる形のほうが残ります
  • 終わったあとの話が出てくるか:持ち帰りの形と、次に確かめる日が、提案に入っているか
  • 成果を、当日の満足度だけで測ろうとしていないか:見たいのは、終わったあとに決まったことが動いたかどうかです

場の設計の考え方そのもの(決裁者を参加者として招く、最後の30分を「誰が・いつ・何を」に使う、など)は、社内ワークショップが「やって終わり」になる理由に4つの条件としてまとめています。提案を受け取ったら、この4つが入っているかを見るのも手です。

よくある質問

テーマが決まっていなくても、相談できますか?

できます。オフサイトや社内ワークショップでは、テーマを決めること自体が最初の仕事になることがよくあります。「この日が終わったあと、誰の何が変わっていてほしいか」を一緒に言葉にして、そこからテーマと時間割を組みます。決める人が誰かと、日程の目安が分かっていれば、相談を始められます。

社内でファシリテーターを育てたほうがいいのではないですか?

くり返す場は、社内で回せるようにしたほうが続きます。毎週の定例会議やチームの振り返りは、進め方の型があれば持ち回りでも回せます。会議の進め方の型をチームでそろえるやり方は、会議改善研修とはにまとめました。一方で、当事者しかいない場や、部門の利害がぶつかる場は、社内で育てた人でも進行しにくいので、外に頼む意味があります。外に頼むときに設計と進行の手引きまで残してもらえば、似た場を次から社内で開くこともできます。

ファシリテーターは、議論の中身にも意見を言いますか?

良し悪しの評価はしません。進行役が「それはいいですね」と言うと、そのあとの発言が進行役の顔を見ながら出てくるようになるからです。ただ、事実を補ったり、選択肢が1つしか出ていないときにもう1つ置いたり、時間を管理したりはします。議論の中身に加わってほしい人は、進行役ではなく参加者として招いてください。

まとめ

  • 進行役になれる人が当事者のとき、部門の利害がぶつかるとき、決裁者が参加するはじめての場、決めるテーマが重い場は、外部のファシリテーターに頼むことを考える
  • 頼む範囲は、事前・当日・終わったあとに分けて決める。決める人の時間を押さえるのは、頼む側の仕事として残る
  • 依頼のときは、決まっていてほしいこと・決める人・参加者・日程と形式・予算の枠・触れにくい事情の6つを伝える
  • 費用は日数・人数・事前の準備・終わったあと・実費で動く。見積もりは、含まれるものをそろえてから比べる
  • 目的より型から話す提案、決める人を確かめない提案、ゲーム中心の提案は、頼む前に聞き直す

hytenでは、社内ワークショップとオフサイトミーティング・経営合宿を、テーマの設計から当日の進行、終わったあとの確かめまでお引き受けしています。設計だけをご一緒して、当日の進行は社内の方が担う形もご相談ください。

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