コミュニティの実行委員会のつくり方コア5〜10名から広げる6か月の進め方

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コミュニティが2年目を迎えられない理由は、だいたい1つです。運営が、事務局の担当者1人の気合いで回っている。その人が異動するか、忙しくなるか、疲れるかした瞬間に、場は止まります。

これを防ぐ唯一の方法は、運営を「参加者の中から出てきた人たち」に少しずつ渡していくことです。いわゆる実行委員会です。ただし、第1回の直後に「委員を募集します」と告知しても、手は挙がりません。委員会は募集するものではなく、半年かけて育てるものです。

この記事では、同じ職種の担当者が集まるコミュニティを立ち上げ、第1回・第2回と伴走した実例をもとに、立ち上げから定着までの6か月を、月ごとの成果物とあわせて書きます。第1回当日の設計は発足イベントの設計の記事に、年間の運営の型は運営設計の記事にまとめているので、ここでは運営を回す人をどう育てるかに絞ります。

原則:濃いコア5〜10名をつくってから、広げる

最初に順番の話をします。多くの主催者は「まず会員を増やし、その中から運営を手伝ってくれる人を探す」と考えます。実際にうまくいくのは逆です。先に濃いコアを5〜10名つくり、そのコアが次の参加者を連れてくる。

理由は2つあります。1つは、人数が先に増えると、事務局の運営負荷がそのまま増えて、コアを育てる余力がなくなること。もう1つは、コミュニティの空気はコアがつくるからです。最初の5〜10名が「ここは本音で話せる場だ」と感じていれば、後から来た人もそう振る舞います。逆に、最初から50名いて誰も本音を話さない場は、人数が増えても変わりません。

6か月のゴールは、会員数ではなく「事務局と実行委員会だけで回る状態」に置きます。

6か月の進め方と、月ごとの成果物

実例で組んだ進め方を、ひと月ずつ書きます。第1回・第2回の時期は、発足イベントの日程に合わせて前後します。

1か月目:定義

発起メンバーと、想定する会員にヒアリングします。会員像を業種・役職・企業規模で整理し、「この場に来ると何が得られるか」という提供価値と、目標(KPI)を言葉にします。

ここで決めた一文が、以降のすべての判断基準になります。詳しくは立ち上げ方の記事に書いたとおりです。

  • 成果物:会員像の定義/コンセプト設計書/KPI

2か月目:設計

担当者のリアルな悩みを引き出すコンテンツを設計し、第1回(発足イベント)のプログラムを組みます。同時に、運営の型をつくります。告知文のひな形、申込フォーム、当日の進行表、アンケートの設問。ここで型にしておくと、後で委員に渡せます。属人的なまま進めると、渡すときに全部作り直しになります。

  • 成果物:コンテンツ設計/進行構成表/運営マニュアル初版

3か月目:第1回

発足イベントを開きます。この回の目的は、満足度を上げることだけではありません。参加者の中から、コアになりそうな人を見つけることです。

見つけ方は難しくありません。着席交流で自分から話を回している人、アンケートの自由記述が長い人、終了後に残って話している人。アンケートに「運営に関わってみたいですか」という設問を1つ入れておくと、候補が自然に浮かびます。

反応と満足度を把握し、振り返りレポートにまとめます。登壇や交流の内容は、記事やレポートとして二次利用できる形に整えておきます。

  • 成果物:第1回の実施/振り返りレポート/転用コンテンツ

4か月目:改良

第1回で見つけた候補者に、個別に声をかけます。「委員になってください」ではなく、「次回のテーマ、一緒に考えてもらえませんか」から始めます。小さな関わりを先に、肩書きは後に。

ここで実行委員会の役割を設計します。実例では、企画(テーマと登壇者を考える)、集客(自社や周囲の担当者に声をかける)、当日(受付と進行を手伝う)、記録(アンケートの集計とレポート)の4つに分け、1人1役にしました。役割が小さいほど引き受けやすく、辞めにくくなります。

同時に、第1回のアンケートを第2回の企画に反映します。実例では、交流時間が足りないという声を受けて登壇を短くし、卓ごとのディスカッションを新設しました。候補者にこの変更を一緒に考えてもらうと、「自分の意見で場が変わる」経験がそのまま委員の動機になります。

  • 成果物:実行委員会メンバーの内諾(5〜10名)/第2回の企画

5か月目:第2回

実行委員会として初めて運営する回です。事務局は一歩引き、委員が決めた企画を委員が進行します。事務局の仕事は、型(マニュアルと進行表)を渡すことと、当日のトラブルを引き受けることです。

この回から、入会と紹介の導線をつくります。参加者が「同僚にも教えたい」と思ったときに、どこを案内すればいいかを明確にしておく。紹介で来た人の歓迎のしかたも、委員の役割に入れておきます。

  • 成果物:実行委員会の稼働/入会導線/紹介の仕組み

6か月目:定着

運営サイクルを定着させ、半年を振り返ります。出席数・リピート率・満足度の推移、委員会の稼働状況、事務局の工数。これを言葉にして、次の半期の方針を決めます。

このときの問いは1つです。「来月、事務局が1人減っても、次の回は開けるか」。答えがイエスなら、立ち上げは終わりです。

  • 成果物:運営の型/半期レポート/次の半期計画

実行委員会でつまずく3つのパターン

半年の進め方を書きましたが、実際にはつまずきどころがあります。よく見る3つです。

事務局が、結局全部やってしまう

いちばん多いパターンです。委員に任せるより自分でやったほうが早いので、事務局が手を出す。すると委員は「自分がいなくても回る」と感じ、関わりが薄くなります。対策は、事務局の役割を「型を渡す」と「トラブルを引き受ける」の2つに限定すること。企画の中身と進行は、出来が多少落ちても委員に任せます。2回目には追いつきます。

委員に丸投げして、放置する

逆のパターンです。委員会ができた安心感から、事務局が引きすぎる。委員は本業の合間に関わっているので、方向性を決める会議や、締め切りの管理まで任せると止まります。定例の場と締め切りの管理だけは、事務局が持ち続けるのが現実的です。

委員を増やしすぎる

関わりたい人が多いと嬉しくなって、15名、20名と増やしてしまう。すると1人あたりの役割が薄くなり、全員が「誰かがやるだろう」になります。委員会は5〜10名。それ以上は「サポーター」として別の関わり方を用意する。登壇者を紹介してくれる、会場を貸してくれる、記事を書いてくれる。委員でなくても貢献できる形があると、コミュニティの層が厚くなります。

よくある質問

実行委員に報酬は必要ですか?

多くの場合、金銭的な報酬はありません。代わりに、委員だから得られるものを設計します。登壇者と事前に話せる機会、他社の委員との定例のつながり、自分の企画が形になる経験。実例では、委員の定例ミーティングそのものが「同じ職種の少人数の勉強会」になっていて、それが続ける理由になっていました。報酬がないぶん、役割を小さくし、辞めやすくしておくことも大切です。

委員が途中で抜けたらどうしますか?

想定しておきます。1人1役にしてあれば、抜けた役割を他の委員が一時的に兼ねるか、サポーターから補充できます。属人的な大きな役割を1人に持たせていると、その人が抜けた時点で回らなくなります。半年のうちに「抜けても回る」構造にしておくことが、6か月目の問いの意味です。

事務局の工数はどのくらいかかりますか?

立ち上げの半年は、月に20〜30時間程度を見ておくと現実的です。定義と設計の2か月は重く、第2回以降は委員会に渡すぶん軽くなります。定着後は、定例と締め切り管理で月10時間前後に落ち着くのが目安です。ここが落ちないなら、どこかで事務局が「全部やってしまう」パターンに入っています。

まとめ:委員会は募集するものではなく、育てるもの

  • 先に濃いコア5〜10名をつくり、そこから広げる。人数を先に増やさない
  • 第1回は「コアになりそうな人を見つける場」でもある。アンケートに設問を1つ入れておく
  • 声のかけ方は「次回のテーマを一緒に」から。肩書きは後
  • 役割は4つに分けて1人1役。委員会は5〜10名、それ以上はサポーターに
  • 6か月目の問いは「事務局が1人減っても、次の回は開けるか」

hytenでは、コミュニティの立ち上げを、第1回を成功させることではなく、事務局と実行委員会だけで回る状態まで育てることとして設計し、月額で伴走しています。コンセプトと会員像の設計から、各回の企画、実行委員会の組成、入会・紹介の導線づくりまで。詳しくはコミュニティ立ち上げ支援をご覧ください。

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